韓国伝統のキムチ大特集:あなたの知らないキムチの世界を紹介
韓国を旅すると、多様な種類のキムチがあるのに気づきます。韓国の各地域は、それぞれに特有の野菜や調味料、発酵方法を駆使して、キムチに独自の味わいを加えています。本記事では、日本でも有名なキムチから独特な材料で作ったキムチまで各地域を体表するキムチを7つ紹介します。韓国の各地を訪れた際には、この地域色豊かなキムチをぜひ味わってみてください。それぞれのキムチから、韓国の食文化の多様性と深みを感じることができるでしょう。美味しい発見があなたを待っています!
몽토/CC BY SA
オイソバギ(오이소박이)ー ソウル
日本でも有名なオイソバギ(오이소박이)は、ソウルの代表的なキムチの一種です。このキムチは、主にキュウリを使用し、その中に様々な調味料や野菜を詰めて作られます。キュウリは縦に切り込みを入れ、中にニンニク、ネギ、唐辛子などとともに、刻んだ大根やニンジンなどの野菜を詰め込みます。オイソバギの特徴は、シャキシャキとしたキュウリの食感と、辛味、甘味、酸味が絶妙に調和した味わいです。伝統的には夏の季節によく作られ、暑い時期のさっぱりとした食欲増進剤として重宝されます。また、オイソバギは発酵が早いため、作ってすぐに食べることができるのも魅力の一つです。オイソバギは、その独特の味わいと食感で、韓国料理の中でも特に人気のあるキムチの一つとして知られています。
チョンガッキムチ(총각김치)ー 京畿道(キョンギド)
チョンガッキムチ(총각김치)は、韓国の京畿道地域で有名なキムチの一種です。このキムチは、主にミニ大根(チョンガッム)を使用し、その葉も一緒に発行させるのが特徴です。大根は葉付きのまま、または葉を別にして塩漬けにし、辛い唐辛子、ニンニク、ネギ、生姜などの調味料と混ぜ合わせて作ります。チョンガッキムチは、シャキシャキとした大根の食感が特徴ですが、大根の葉も一緒に食べるため、キムチの中でも栄養が豊富です。
엔젤로사/CC BY
ブチュキムチ(부추김치)ー 慶尚道(キョンサンド)
ブチュキムチ(부추김치)は、韓国の慶尚道地域で親しまれているキムチの一種です。このキムチは、ニラ(부추)を使用し、その風味豊かな特性を活かしたキムチです。ブチュキムチは、ニラにニンニク、生姜、唐辛子、魚醤などの調味料を加えて作られます。これらの材料を混ぜ合わせ、ニラにしっかりと絡めて発酵させることで、深い味わいと香りが生まれます。ブチュキムチは、肉と食べると美味しいですが、最も有名な食べ方はクッパに入れて一緒に食べることです。そのため、ブチュキムチは、韓国どこでも見つけられる有名なキムチです。
루밍/CC BY ND
ナバッキムチ(나박김치)ー 忠清道(チュンチョンド)
ナバッキムチ(나박김치)は、韓国の伝統的なキムチの一種で、特に忠清道地域で親しまれています。このキムチは、薄くスライスした大根を主材料とし、水分を多く含んださっぱりとしたスープ状のキムチです。このキムチの特徴は、辛味が控えめで、大根の甘みと酸味が際立つことです。大根にニンニク、生姜、唐辛子、ネギなどの調味料を加え、さらにはりんごや梨などの果物を入れることで、自然な甘みを引き出します。ナバッキムチは、水キムチ(물김치)の一種であり、さっぱりとしたスープが特徴的です。忠清道の温暖な気候は、ナバッキムチの発酵に適しており、穏やかな味わいを生み出します。この地域では、夏の暑い時期に特に好まれ、食欲が落ちる季節にさっぱりとしたキムチとして重宝されます。ナバッキムチは、韓国の他の地域でも人気があり、暑い季節や食欲がない時に食べるのに最適なキムチです。
블링마미/CC BY ND
ガクキムチ(갓김치)ー 全羅道(ジョンラド)
ガクキムチ(갓김치)は、韓国の伝統的なキムチの一種で、特に全羅道地域で親しまれています。このキムチは、ガク(からし菜)を主材料としており、その独特の辛味と香りが特徴です。ガクキムチは、からし菜の葉と茎を使用し、唐辛子、ニンニク、生姜、魚醤などの調味料と混ぜ合わせて作られます。このキムチは、からし菜が主材料であるため、からしのような辛味が特徴です。また、からし菜に含まれる栄養素が健康に良いとされ、ビタミンやミネラルが豊富です。全羅道のガクキムチは、キムチの多様性を象徴する一品であり、その地域の食生活に深く根ざしています。ガクキムチと一緒に食べるとおいしい料理は、ジャージャン麺とサムギョプサルがあります。
写真は白菜から生える花茎(동지) 산골다래/CC BY
ドンジキムチ(동지김치)ー 済州島(チェジュトウ)
済州島のドンジキムチ(동지김치)は、春に漬け込む伝統的なキムチで、特に済州島で親しまれています。このキムチは、大根や白菜から生える花茎「동지(ドンジ)」を使用し、塩で漬けた後、唐辛子粉、ニンニク、ネギなどの調味料と混ぜ合わせて発酵させます。特に早春、冬のキムチがなくなる時期や酸味が出始める時に、一時的に漬け込むキムチとして重宝されます。ドンジキムチの特徴は、花茎の柔らかい食感と、辛味と酸味が絶妙に調和した味わいです。このキムチは、春の訪れを告げる済州島の食文化の象徴として、地元の人々に長く愛されています。ドンジキムチは、済州島の豊かな自然を活かした伝統的な味わいを持ち、特に春の季節に食べられることが多いです。済州島を訪れた際には、この地域ならではの味を楽しむことができるドンジキムチをぜひ味わってみてください。
ソゴリジ(서거리지)ー 江原道(カンウォンド)
ソゴリジ(서거리지)は、江原道で親しまれている独特のキムチです。ソゴリジのソゴリ(서거리)とは、江原道の方言で魚のえらを意味し、このキムチは主にミョンテ(鱈)を使用して作られます。ソゴリジは、ミョンテのえらを乾燥させ保管し、キムチを漬ける際に水で戻し、様々な調味料と混ぜ合わせて作られる大根キムチです。このキムチの特徴は、えらの部分を細かく裂いて塩漬けにする際、麦芽糖の粉末を加えて発酵を促進することです。その結果、独特の風味と食感が生まれます。このキムチは、江原道の冷涼な気候と豊かな海の恵みを活かした伝統的な味わいを持ち、特に冬の寒い時期に食べられることが多いです。江原道を訪れた際には、この地域ならではの味を楽しむことができるソゴリジをぜひ味わってみてください。
まとめ
韓国の食文化は、地域ごとに異なるキムチの種類によって豊かな味わいと多様性を示しています。各地域のキムチは、その地の気候、食材、伝統に根ざしており、地域固有の特徴を反映しています。これらのキムチは単なる料理以上のものであり、その地域の歴史や文化、自然環境を表現する文化的象徴としての役割を果たしています。韓国の各地を旅することは、その地域特有のキムチを通じて、韓国の食文化の深さと多様性を体験することができます。地域ごとのキムチを味わうことは、訪れる人々にとって新たな発見となり、その地域の人々の生活や伝統に触れ、韓国の食文化をより深く理解するための貴重な機会になるでしょう。